初孫が生まれたら主役は孫だった|同居で感じた小さな孤独

第5話 初孫フィーバー発生

前回、突然アドバイスマンとの戦いを記録した。

宿題。

子育て。

価値観の違い。

今だからこそ少し笑いながら振り返ることができる出来事だった。

しかし今回の話は、もっと昔にさかのぼる。

まだ勇者レベル1だった頃。

長男の嫁としても、

母親としても、

右も左も分からなかった頃の話だ。

初めての出産。

初めての育児。

そして初めての同居。

毎日がイベント続きだった。

そんなある日、

この家で大規模イベントが発生する。


⚠️期間限定イベント発生

初孫フィーバー

発生条件:第一子誕生

参加人数:義父・義母・親戚一同

勇者の状態:寝不足・育児初心者


当時の私は気づいていなかった。

息子が生まれたことで、

私が母親になっただけではなく、

義父母は祖父母になっていたことを。

そして、

この家には新たなスーパースターが誕生していたのである。

そう。

初孫である。


お茶の時間の主役

我が家にはお茶の時間がある。

農家ならではの文化なのかもしれない。

午後になると自然とみんなが集まる。

そしてその頃、

家には一人のスーパースターがいた。

長男である。

いや、

正確には

「初孫」である。


お茶の時間になる。

すると聞こえてくる。

「〇〇くん起きた?」

「まだ寝てるの?」

「もうすぐ来るかな?」


私は少し焦る。

なぜなら、

赤ちゃんはお茶の時間を知らないからだ。


昼寝とお茶の時間の攻防戦

赤ちゃんには赤ちゃんのリズムがある。

でも私は、

お茶の時間を気にしていた。

昼寝が長引く。

焦る。

授乳の時間がズレる。

焦る。

機嫌が悪い。

焦る。

誰にも急かされていない。

怒られてもいない。

それなのに、

なぜか焦る。

今思えば、

無意識のプレッシャーだったのかもしれない。


授乳という高難易度クエスト

当時、一番苦手だったのは授乳だった。

義母は言う。

「気にしないであげちゃって大丈夫だよ。」

悪気はない。

本当にない。

分かっている。

でも私は気になった。

近くには義父がいる。

授乳ケープは使う。

でも赤ちゃんは容赦なく引っ張る。

ズレる。

焦る。

直す。

またズレる。

焦る。

今なら笑える。

でも当時の私は、

かなり必死だった。


初孫フィーバーは家の外にも広がっていた

私が驚いたのは家の中だけではなかった。

長男が生まれてしばらくした頃、

義母から言われた。

「明日、〇〇さんたち来るからね。」

私は親戚かなと思った。

でも違った。

来たのは近所のお母さまたちだった。

結婚式で会ったかもしれない。

でも正直ほとんど初対面である。

どうやら地域のつながりの中で、

赤ちゃんの顔を見に来てくれる文化があったようだ。

今なら分かる。

きっとお祝いの気持ちだったのだと思う。

実際、お祝いも持ってきてくださった。

でも当時の私は驚いた。

産後で寝不足。

授乳中。

部屋も片付いていない。

そんな状態だったからだ。

しかも旦那がいる休日ではなく、

平日の昼間。

前日の夜に

「明日来るから。」

と言われても、

心の準備が追いつかない。

結婚して初めて会う人たち。

初めての育児。

初めての同居。

初めてだらけの中で、

私は必死に笑顔を作っていた気がする。

今思えば、

あれも初孫フィーバーの一部だったのかもしれない。


誰も悪くないのに苦しかった

義父も義母も孫が可愛かっただけ。

近所の人たちもお祝いの気持ちだった。

私は息子を愛していた。

誰も悪くない。

それなのに少し苦しかった。

なぜだろう。

今なら分かる。

私は母親になったばかりだった。

まだ自分のペースも掴めていなかった。

毎日が不安だった。

そんな時期に、

周りの期待や喜びを感じることが少し重かったのだと思う。


初孫フィーバーは愛情の裏返し

今振り返ると、

あの頃の義父母は本当に嬉しかったのだと思う。

初孫。

待望の孫。

家族が増えた喜び。

だから毎日会いたかった。

抱っこしたかった。

成長を見たかった。

私も親になった今なら、

少しその気持ちが分かる。


でも新米ママも頑張っている

だからこそ伝えたい。

もし今、

初めての育児で疲れているお母さんがいたら。

孫フィーバーに少し疲れているお嫁さんがいたら。

それは決して冷たいことではありません。

赤ちゃんを守ろうとしている。

自分も必死に頑張っている。

ただそれだけです。

母親になったばかりの時期は、

思っている以上に心も体も疲れています。

まずは自分を責めないでほしいと思います。


私があの頃の自分に言いたいこと

あの頃の私へ。

お茶の時間に間に合わなくても大丈夫。

昼寝がズレても大丈夫。

授乳を優先していい。

赤ちゃんのペースが最優先。

周りの期待に応えようとしなくていい。

あなたは十分頑張っている。


⚔️勇者が今回手に入れた知識

⚔️ 初孫フィーバーは愛情の裏返し

⚔️ 誰も悪くないのに苦しくなることはある

⚔️ 赤ちゃんには赤ちゃんのペースがある

⚔️ 新米ママはまず自分と赤ちゃんを優先していい

⚔️ 「頑張りすぎない」も大切な育児スキル


イベント図鑑 No.001

👶 初孫フィーバー

発生条件:
家系初の孫誕生

危険度:
★★★☆☆

特徴:
家族全員の注目が孫へ集中する

勇者への影響:
睡眠不足状態での対応を強いられる

ドロップアイテム:
大量の写真
大量のおもちゃ
時々ありがたい子守り


同居をしていると、

大変なこともあります。

でも振り返ると、

あれも家族の愛情だったのだと思います。

当時は必死で見えなかった景色も、

少し時間が経つと違って見えることがあります。

それでも、

あの頃の私には一言だけ伝えたい。

「本当によく頑張っていたね。」