長男の嫁は大変?同居生活で気づいた“見えない仕事”の正体
- 長男の嫁、勇者認定される -
「長男の嫁って大変だね。」
そう言われることがある。
でも正直、結婚した当初の私は、その言葉の意味をよく理解していなかった。
長男だから何なのか。
嫁だから何なのか。
今の時代、昔みたいな考え方は減っているし、家族なんだからみんなで協力して生活していけばいい。
そのくらいに思っていた。
しかし結婚して数年。
私はあることに気づいた。
長男の嫁というのは、ただの立場ではない。
ひとつの「職業」なのだ。
長男の嫁に就職した覚えはない
子どもの頃、将来の夢を聞かれたことがある。
保育士。
ケーキ屋さん。
看護師。
そんな夢を書いた記憶はある。
しかし人生のどこを探しても、
「将来は長男の嫁になりたいです」
と言った記憶はない。
気づけば結婚し、
気づけば義実家との付き合いが始まり、
気づけば親戚の集まりに参加し、
気づけば家族の間に立って調整役をしていた。
資格試験も受けていない。
履歴書も提出していない。
なのに突然、
【長男の嫁】
という職業に就いていたのである。
この職業で求められるスキル
長男の嫁には意外と多くの能力が求められる。
まず必要なのは空気を読む力。
誰かが不機嫌そうにしている。
誰かが気を遣っている。
誰かが本音を飲み込んでいる。
そんな空気を察知する能力が自然と鍛えられていく。
次に必要なのはコミュニケーション能力。
夫。
義父。
義母。
親戚。
子ども。
立場も価値観も違う人たちの間で会話をつなぐ。
まるで通訳のような仕事だ。
そして最後に必要なのが忍耐力。
これがなかなかレベルの高いスキルである。
思ったことを全部口にしたら人間関係は壊れる。
でも我慢しすぎると自分が壊れる。
その絶妙なバランスを探しながら毎日を過ごしている。
同居ダンジョンという修行場
私の場合は同居も経験している。
同居は決して悪いことばかりではない。
助けてもらえることもある。
子どもを見てもらえることもある。
生活費の面で助かる家庭もあるだろう。
しかしその一方で、
自分のペースだけでは生きられない。
家族が増えるということは、
価値観も増えるということだからだ。
「普通」の基準が人によって違う。
だから時々ぶつかる。
時々疲れる。
そして時々、一人になりたくなる。
そんな経験を繰り返しながら、人は少しずつ成長していくのかもしれない。
村人に勇者と間違われた日
ある日、ママ友と話していた時のこと。
何気なく同居していることを話した。
すると相手は驚いた顔をしたあと、
両手を合わせながら言った。
「私には絶対無理です。」
私は思わず笑ってしまった。
自分では毎日を必死に過ごしているだけだったから。
でもその時初めて気づいた。
私にとっては当たり前になっていたことが、
誰かにとっては大変な挑戦に見えているのだと。
もちろん私は勇者ではない。
毎日余裕があるわけでもない。
落ち込む日もある。
イライラする日もある。
逃げ出したくなる日もある。
それでも今日も朝が来たら起きて、
家事をして、
仕事をして、
子育てをしている。
勇者じゃなくてもいい
長男の嫁だから立派でなければいけない。
同居しているから我慢しなければいけない。
そんなことはないと思う。
疲れたら休んでいい。
助けを求めてもいい。
時には外食という回復アイテムを使ってもいい。
大切なのは無理をし続けることではなく、
自分を守りながら進むことだ。
長男の嫁という職業には終わりがない。
だからこそ、自分自身のHPを大切にしながら生きていきたい。
気づけば今日も経験値が少し増えている。
そんなふうに思えたら、この職業も少しだけ面白くなる気がしている。